ドライブマイカー
ベネチア映画祭で脚本賞を取った今かなり話題の濱口竜介監督の作品です。
原作は村上春樹原作の短編集「女のいない男たち」
映画観る前に読んでいったのですが、後で調べたら他にも「シェラザード」「木野」からの引用もありました。
これらを1本にまとめてさらに上に行った感があるから脚本賞なんでしょうね。
それから前準備として、舞台「ワーニャ叔父さん」と「ゴトーを待ちながら」の筋をざっくり予習していきました。
舞台はまるで明るくないので、予習しといてホント良かったです。
特にチェーホフのワーニャ叔父さん。「絶望から忍耐へ、忍耐から希望へ」ってもうね。
前置き長くなったけど、ストーリーはざくっと3つにわかれてて、
前半:西島秀俊扮する舞台を中心に活躍している俳優、家福が妻(霧島れいか)を病気で失うまで
中盤:家福が演出する舞台がメイン。オーデションで再開する妻の浮気相手であろう高槻(岡田将生)、そしてこの映画のもう一人の主人公といってもいい赤いサーブ(原作は黄色だった)の運転手みさき(三浦透子)との出会い
後半:家福とみさきの再生の旅
といった感じかな。
この映画3時間あるの。
タイトル出るまでえらい長いなーと思いつつ濱口監督といえばハッピーアワー6時間越えが頭をかすめる。
SNSなどでの感想読んでると長く感じなかった!っていう人多かったけど、
私は少し重くて窮屈で長く感じました。
もともと村上春樹が描くあの男女の感じがあんまり得意じゃないからかな?
嫌いではないけど、住む世界が違うというか、憧れが勝ってる感じ。
でも、見終わった後は充実感あふれました。
こっから若干ネタバレ
「正しく傷つく」というのがテーマの一つ。
家福もみさきも、やっぱり壊れていた高槻も
印象に残ったのは家福が舞台を演出するシーン。
抑揚をつけずにただ本を棒読みで読み進めるというやり方。
そうすることで完全に言葉が体に入ってきて動きをつけたときに違ってくる。
公園で演者の女性二人が何かをつかむシーン。
あれ、役者やってる人共感できるんでしょうね。
あれがたまんなくてやめられないみたいな、、
俳優さんたちもよかった
主役陣はもちろんのこと、
奥さん役の霧島れいかさん、舞台のプロデューサー?の女性、
韓国のコーディネーターの男性、
舞台の演者さんたちも、多様性だらけだった。
舞台の見せ方も日本語と日本語以外の言語、手話もある。
日本語以外はそれぞれに字幕がついていて、日本の映画じゃないみたいでした。